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ELS
【 説 明 】
- 劇場版機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-に登場する異性体。コミック等を除く公式ガンダムシリーズにおける敵としては、史上初の地球外生命体。
名前のELSとは、「地球外変異性金属体」の英訳「Extraterrestrial Livingmetal Shapeshifter」の頭文字「E」「L」「S」からとったものである。
身体は自在に変形できる金属で構成されており、対象物を取り込んだり、物体に擬態できる能力を持つ。 彼等は脳量子波と「同化」をコミュニケーションの手段として用いており。地球に到達したELSは、脳量子波を放つイノベイターになり得る人物と同化を図った。
ELSはある理由からワームホールを用いて様々な星系を旅する種族であり、太陽系には木星の大赤班に発生したワームホールを通って現れた。 ワームホールから現れた先遣隊は放置された木星探査船と融合して地球へ接近し、その破片と共に地球に落下。落下地点の周辺に存在している機械と融合し、不可解な事件を引き起こした。 また、木星探査船の乗組員であったリボンズ・アルマークと同型のイノベイド、スカイ・エクリプスの体を乗っ取り、アーミア・リー、ルイス・ハレヴィ、ソーマ・ピーリスなどイノベイターの因子を持った人間を襲った。
知性は有するものの、地球人とはかけ離れたメンタリティを持ち、脳量子波によってコミュニケーションを行う群体である。それゆえ、地球人やイノベイドが放つ脳量子波に惹き付けられている。 また、「個」ではなく「群」として種族間でネットワークを形成した並列思考する生物でもあるため、その思考情報量は人の許容量を遥かに凌駕する。そのため、彼らの脳量子波は人類にとって強烈な「叫び声」のようなものであり、それを常に放っているため、刹那・F・セイエイやデカルト・シャーマンやルイス・ハレヴィといった高い脳量子波を持つ者はその激しい干渉に苦しめられ、取り込まれたものはその情報量の前に自我崩壊していった。 (但し、高い脳量子波を放つソーマ・ピーリスやアレルヤ・ハプティズムには、何の影響も無かった。)
本隊は月と同等の質量を持った巨大なタマネギのような構造物であり、MSサイズの小型、戦艦サイズの大型等、様々なサイズ・形状のELSによる混成部隊となっている。
ELSのその最大の武器は先述の通り「同化」である。 同化によって取り込まれた物体は瞬く間に吸収され、そのデータはELSの脳量子波によって他の個体と共有される。 その為、ミサイルなどの実体弾は同化・吸収されてしまうため、殲滅するにはミサイルを「近接信管」で起爆させるかビームでなぎ払うしか無い。 当然ながら実体剣での格闘戦もNGである。 また、自在に変化するという特性から、擬態能力も持ち合わせており、取り込んだMSや巡洋艦などに擬態する事が可能。 ELSが擬態したMSは、オリジナルの形状や機能を完全に模倣しているわけではなく、頭部カメラがモノアイ型であったり、背中のコーンスラスターが初期形態に似た長い円錐状であったり、携帯火器は腕を直接変形させて再現していたりと多くの相違点を持つ。GN-XVIをはじめ、漫画版ではダブルオーライザー、機動戦士ガンダム00I 2314ではアリオスガンダムアスカロンに擬態するELSも確認されている。
地球上へ拡散した欠片による怪事件や対話を試みたデカルト・シャーマン、キム中将達先遣隊の全滅から、連邦軍はELSを敵勢力と断定したが、実は彼らに敵対意思は無く、ELSの存在していた星系は既に滅亡寸前であった為、彼らは新たな居場所を探して地球人へ助けを求めていただけである。MSや地球人の姿を模していたことも、対話やSOSの意思表明に過ぎなかった。
刹那・F・セイエイが発動させたダブルオークアンタの「クアンタムバースト」によって彼とELSの対話が行われた結果、地球人類が「個」を基準に成立していることを理解したELSは地球圏の一箇所へ集まり、地球上からも目視できる巨大な一輪の花となった。 その花は、フェルト・グレイスが刹那・F・セイエイに渡した花と同一だった。 西暦2314年から50年後の西暦2364年時には、人類とELSの共存が進み、中にはELSと共生関係にある人間もいる(アーミア・リー)。また、ELSの巨大な花は宇宙ステーションとなっている。
- 木星型天体の母星の液体金属の核から誕生した金属生命体。母星とワンセットの生命体であり、意識も一つしかない。彼らの母星は滅亡の危機に瀕しており、先遣隊を送り出して宇宙の様々な生命体と融合し、長い旅を続けて地球にやって来た。母星の幾層にも積み重なる厚い雲と高重力下で進化を続けたが、垣間見える空と宇宙を不思議に思い、やがて好奇心に駆られて宇宙に顔を出してみたのが外の世界を知った瞬間だった。雲の上に目のような球体が顔を出し、軌道エレベーターと低軌道リングを作った。
しかし、ELSの母星の属する星系の主星(恒星)の寿命が尽き、赤色巨星となって膨張・爆発が起こり母星は爆風の嵐に襲われて雲と大気は薙ぎ払われ、海は蒸発して干上がり大地は急速な乾燥とひび割れに見舞われ、宇宙に放出された主星外層部のガスによる惑星状星雲に覆われ、死滅寸前まで追い込まれてしまう。それまでは順調に進化し、一つになる事により巨大化を続け安定していた為、死の概念が無に等しい程に薄かった。上位意思決定者は生き延びる術を模索すべく一部のELSを先遣隊として送り出す事を決意し、主星が膨張を始めた頃に飛ばした子機的存在のELSの行き先に向け、彼ら自身により構成されている巨大コロニー(木星圏に出現した月とほぼ同規模の眼球状巨大ELS)を打ち上げた。母星を離れた後にコロニーから四つの集団が別れ、それぞれが更に分かれて新天地を探し求めた。現在、母星は白色矮星化した主星の影響で寒冷化の途上にある為、ELSは暖かい場所を求めている。
但し、自分達の物差しで物事を考えるのはELSも同じで、或る惑星を自分達の生存に適した環境に変えようとした行為により、その惑星を滅ぼしてしまった事もある。イノベイターやイノベイド及び超兵などの脳量子波使い達は一部(アレルヤやマリー)を除いて頭痛に苛まれたが、それはELSが集団で何から何まで一度に叫んでいたからだった。全部叫んだらパンクしてしまうから駄目だという事が理解できていなかった。前線司令部みたいな存在でありELSの歴史を中枢部に宿す巨大ELSとの対話、そして母星に残留する上位意思決定者との相互理解と和解を刹那が果たした結果、地球を蝕んでいた彼らの融合は停止に至った。
「個」で成り立つ地球人と「群」で成り立つ自分達との違いを知り、その上で共存する道を刹那との対話で理解し選択した。木星に出現したのは母星と似た環境を選んだ為であり、来てみたら脳量子波を放つ生命体がいると知り、その生命体のいる地球にやって来たのだった。巨大化した彼ら自身のネットワークを維持する為、脳量子波を獲得した経緯があり、それもあってワームホールの出口である木星の大赤斑に来た際に脳量子波を感知し、新たな共存を果たすべく木星探査船エウロパをその乗員ごと取り込んで地球に接近した。
【コメント】
- ELSにとっては地球人の真似をしてコミュニケーションを模索したつもりでも、地球人にとっては膨大な情報量に潰されて死者が出たりしたので、これでは「SOS」と解り様が無い訳です。はた迷惑な助けの求め方をし、殺し合ってお互いに滅びかねませんでした。この異星体との誤解による戦闘と和解の話の元はTVシリーズを始めるに際し没となった「宇宙怪獣と戦うガンダム」だったそうです。
ELSの母星はまだ滅んだ訳ではないので、彼らの上位意思決定者は母星に留まっているのでしょう。だからこそ、刹那とティエリアは相互理解を深め和解する事により地球を救う為、彼らの母星に量子ジャンプを行わねばならなかった。丸ごと移動して来るか巨大ELSが理解した情報を母星の上位意思決定者に伝えられたら、もっと楽だったのは明白ですよ。しかし、どうあっても刹那を外宇宙に家出させたかったようですね。
書籍により、ELSは全部旅立ったとか、一部が先遣隊としてやって来たとか、情報が統一性に欠けますが、ELSの行動を左右する存在が母星にいないと刹那が行かねばならない理由がありまあせん。従って、母星にELSのトップがいるのは確実ですよね。
ところで、ELSが木星に棲息する生物だと思った人達がいたとか。SF考証の千葉智宏氏が、そういう質問をよく受けたと苦笑していたそうです。
- ガンダムOO第二シーズンのエンディングを見れば誰もが思いそう(正確にはエンディングの終わった後
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